making
  糸寒天の製造現場を見る その2

恵那山のふもとの工場へ

 弊社の工場のある岐阜県に来ました。中央アルプスの最南端に位置する恵那山のふもとです。
 昔から、冬の気候が寒天作りにいいことから、長野の諏訪地方と並んで寒天の産地として有名です。
 地域によって形や原料が少し異なり、岐阜では糸寒天(細寒天)、長野では角寒天(棒寒天)が主流です。

 
岐阜県・恵那山

炊き込み開始

 運ばれたてんぐさは、洗ってあく抜きしたあと、ヒノキ製の胴をのせた鉄の大釜で炊かれます。この炊き方で寒天の出来が左右されるので、勘と経験がものをいう作業です。
 
てんぐさの炊き込み

 上手に炊きあがると大釜から勢いよく湯気がでてきます。これをカエリといいます。
 
勢いのあるカエリ

天然寒天という名の理由

 恵那山のふもとに冬だけ登場する糸寒天の干し場。くいを打って作ります。
 気温が氷点下にならない時期に糸寒天を作るとき、冷凍庫を使う場合があります。それと区別するため、天然凍結・天然乾燥で製造したものを「天然寒天」と呼んでいます。

 
干し場を作る

巨大なところてん登場!

 炊きあがったてんぐさを搾って、容器に流し込みます。だんだん温度が下がってくると、生天のできあがり。

 
生天を作る

 これがいわゆる「ところてん」。ただし、見ての通りサイズが大きい! 突き出すのも二人がかりです。

 
巨大ところてん

これぞ、糸寒天の真骨頂!

 突き出したところてんを2回結びした写真です。これでも切れないのは、糸寒天の最大の特徴であるねばりが大きいから。
 原料である良質のてんぐさから出るこのねばりが、昔から高級和菓子に求められてきました。

 
ところてんを2回結び

凍て(いて)とり

 干し場に並んだところてんが急激に凍らないように、氷の固まりを削り粉状にして振りかけていく「凍てとり作業」。カリンカリンと氷を削る音が響きます。

 
凍てとり

水をまく

 均一に乾燥するように、職人が「ところてん」の状態をみて水をまきます。
 凍てとりにしても、水まきにしても、行うタイミングを見極めるのが職人技です。
 
水をまく

じっくり干していきます

 干し場に並んだところてんは、凍結・解凍を繰り返すうちに乾燥して、だんだん水分が抜けていきます。
 2〜3週間かけて大切に大切に干していきます。
 
日に当てる

とうとう完成!

 干し上がった糸寒天を丁寧に取り込みます。
 
取り込み

 夏場に採取したてんぐさが、自然の力と人の手を経て約半年。やっと糸寒天の完成です。
 森田商店自慢の糸寒天、ぜひお試しください。
 
今回もよいものができました

糸寒天商品の紹介